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VPNに潜む脆弱性って?情報漏洩は大丈夫?対策方法や被害事例を紹介!

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VPNに潜む脆弱性って?情報漏洩は大丈夫?対策方法や被害事例を紹介!

近年、リモートワークの普及やスマートフォンを使用する機会が増えたことにより、VPN(Virtual Private Network)の利用が急速に広がっています。VPNは安全なネットワーク接続を実現する技術として知られていますが、その一方でVPN脆弱性を抱えていることも事実です。この記事では、VPNの脆弱性や基本的な仕組み、実際の被害事例などで詳しく解説します。

目次

VPNとは?その仕組みを理解しよう

VPNは「Virtual Private Network(仮想プライベートネットワーク)」の略称で、インターネット上に仮想的な専用回線を構築して安全な通信を実現する技術です。この技術により、公共Wi-Fiなど不特定多数が利用するネットワークでも、データ盗聴や改ざんのリスクを大幅に減らすことができます。

VPNの仕組みは主に以下の4つの要素で成り立っています。

  1. トンネリング: インターネット上に仮想的な専用通信路(トンネル)を作り、その中でデータをやり取りします。
  2. カプセル化: 通信データを別のパケットで包み込み、内容を隠蔽します。
  3. 認証: 通信する相手が正当なユーザーであることを確認するプロセスです。
  4. 暗号化: データを暗号化し、第三者に内容を読み取られないようにします。

VPN接続の流れは次のようになります。

  1. ユーザーがVPNクライアントを起動してVPNサーバーに接続
  2. ユーザーのデータが暗号化されてVPNサーバーに送信
  3. VPNサーバーがインターネットに接続して情報を取得
  4. 取得した情報が暗号化されてユーザーに返送
  5. ユーザー側でデータが復号され、利用可能に

VPN脆弱性とリスク

VPNは安全な通信を実現する技術ですが、完全に安全というわけではありません。以下に主なVPNの脆弱性を紹介します。

VPNプロトコルの脆弱性

古いプロトコル(PPTPなど)は暗号化が弱く、解読される可能性があります。また、L2TP/IPsecなどは設定が複雑で、誤設定により脆弱性を生むケースも。

VPNサーバーの脆弱性

不適切な設定、弱い認証情報、最新パッチが適用されていないソフトウェアなどが攻撃者の侵入口となり得ます。

VPNプロバイダーの接続ログ保存

接続ログにはユーザーのIP情報や接続時間などが記録され、これらが第三者に渡るとプライバシーリスクになります。

DNSリーク

VPN接続中でもDNSリクエストがVPNトンネルを経由せず、ISPなどに漏れることで、アクセス先が特定されるリスクがあります。

VPNの設定ミス

設定が不完全だったり、管理画面が外部からアクセス可能だったりすると、不正アクセスのリスクが高まります。

感染端末からのマルウェア拡散

VPN接続を介して感染端末からマルウェアが社内ネットワークに拡散するリスクがあります。実際の被害事例をみてみましょう。

JAXA(宇宙航空研究開発機構)の情報漏洩

2023年、JAXAはVPN装置の脆弱性を突かれて不正アクセスを受けました。攻撃者はVPN装置の脆弱性を起点に一部のサーバーや端末に侵入し、さらにアカウント情報などを窃取。その後、窃取した情報を利用してMicrosoft365に対して正規ユーザーを装った不正アクセスを行いました。この侵害により、JAXAの個人情報を含む一部の情報が流出してしまいました。JAXAの公表によると「今年に入って複数回の不正アクセスが発生」しており、「いずれもVPN機器を狙ったもの」だったという点です。

カプコンの大規模情報流出

株式会社カプコンも、第三者からの不正アクセス攻撃によって個人情報が流出する事態となりました。北米現地法人が保有していた予備の旧型VPN装置がサイバー攻撃の対象に、社内ネットワークへの不正侵入を許してしまいました。新型コロナウイルス感染拡大によるネットワーク負荷増大に伴う緊急避難用として残していた旧型VPN装置が攻撃の起点となり、結果的に15,649人分もの個人情報が流出する事態に。

VPN利用時の効果的なセキュリティ対策

VPNの脆弱性を理解したうえで、以下の対策を講じることでリスクを大幅に軽減できます。

セキュリティ設定を適切に行う

  • 強力な認証情報(パスワード)を使用する
  • 最新の安全なVPNプロトコルを選択する
  • サーバー証明書が正しく設定されているか確認する
  • ファイアウォールを適切に設定する

VPNのセキュリティを強化するために、強力な認証情報を使用し、最新の安全なVPNプロトコルを選択するとともに、サーバー証明書の適切な設定やファイアウォールの管理を徹底することが重要です。

二要素認証を導入する

単一要素認証(パスワードのみ)では不十分です。特に企業でVPNを利用する場合は、二要素認証または多要素認証を導入しましょう。

DNSリーク保護を有効にする

DNSリーク保護を有効にすることで、VPN接続中のプライバシーとセキュリティを強化できます。

信頼性の高いVPNプロバイダーを選ぶ

ノーログポリシー(接続ログを保存しない)、強力な暗号化技術、高いプライバシー保護レベルを提供しているプロバイダーを選びましょう。

ユーザーのセキュリティ意識を向上させる

VPN接続だからといって安心せず、不審なファイルやリンクには注意し、定期的なセキュリティアップデートを行うことが重要です。

VPNの脆弱性を定期的に調査する

利用しているVPN機器の脆弱性情報を定期的に確認し、セキュリティパッチを迅速に適用しましょう。

まとめ

VPNは安全なインターネット接続を実現するための重要な技術ですが、適切に運用・管理しなければセキュリティリスクになり得ます。最近の被害事例からも分かるように、VPNの脆弱性は実際の情報漏洩につながる深刻な問題です。VPNを安全に活用するためには、定期的なセキュリティアップデート、適切な設定、二要素認証の導入など、複数の対策を組み合わせることが重要です。また、従業員のセキュリティ意識向上も忘れてはならないこと。VPNは正しく利用すれば強力なセキュリティツールとなりますが、過信せず、常に最新の脅威と対策について情報を更新していくことが大切です。

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